続・情報社会のアイドルコンプレックス

今までの人生の全てを伏線として回収できるように頑張ってるブログ

カラス

自分には、子供も恋人もいない。愛情を注ぐ相手は主に母になる。

 

 

 

数年前の数日ぶりに晴れた日――――――多分5月か6月頃だった様に思う――――――私は休みで母と映画を観に行く約束をしていた。

 

数日前、家の前のプランターの間にカラスの雛の死骸を発見した母は、父に処理をお願いした。しかし父が帰る頃には暗くなっているのでできないと言った。弟は多分面倒だったのか逃げていた。

 

私はカラスの死骸をホウキとチリトリを使い、他の落ち葉やらと一緒にゴミ袋に入れた。小さくて瞼を閉じている。死骸の柔らかい感触がホウキを伝ってきた。ウジ虫が蠢いた。ことん、とチリトリに受けた。

自分の大切な存在には、怖いものも汚いものも見せない様に守りたい。母には私に対してその様な感覚が希薄なのかと悲しくなったが、私は守るぞと死骸を片付けた。

 

その後、約束の映画を観に行った。母はその前に、当時私がアルバイトをしていたカフェに寄りたいと言った。私にサンドイッチを買うように言った。サンドイッチの種類は、チキンサンドとジャムサンドがセットになっている物の一種類だった。母はチキンが嫌いなのでジャムサンドを選び、チキンサンドを私にくれた。鳥の死骸を片付けたばかりの私はチキンサンドを食べた。

 

 

 

 

それから少しして、向井秀徳アコースティックエレクトリックのライブに行った。そこで私は衝撃をを受けた。向井秀徳はカラスという曲を弾き語りし、歌詞が鮮明に届いた。その穏やかで優しい曲の最後はこんな内容だった。

 

『家の真ん前で死んだカラスの死体を眺め、区役所に電話した。2時間後に見てみると羽が1枚落ちていた。』

 

区役所!!!そんな手があったのか。